Makoto Araya  


新谷 誠

兵庫県出身 1953年生まれ

企画ディレクター

ツキヒヨリの取材を受けたことから自分の人生を振り返ってみた。
私はいつも目の前の面白いことに手を挙げて、全力で企業の商品やブランディングを生み出す仕事をやってきたように思う。
思えば半世紀近くになるのだ。
今、東京を離れて茅ヶ崎に住み始め3年になる。
この3年は自分の人生の中で特別な時間だったかもしれない。
朝の海岸をウォーキングし、美味い珈琲を飲む。時間を見つけては近所の山を歩く。自転車も面白い。仕事以外にこんな時間の中で自分をみつめたことがあっただろうか・・・と。
茅ヶ崎は自分が育った兵庫にも似ている。海が近く町を囲むように山並みあり、京都を思い馳せる鎌倉がある。
この土地は初めて住む町なのに、なぜか懐かしく感じるのはそんなところかもしれない。

私は教育熱心な両親に育てられ、その期待通りに何でもできる子供だったようだ。私自身、絵を描くことも書道も音楽も家庭科までも何でも勉強することが苦ではなく、むしろ面白かった。

デザインにはロジカルが必要

期待通り名門・神戸高校に入学。その後、様々な迷いがあったが、京都工芸繊維大学意匠工芸学科に進む。ここの4年間の学びが私の人生を決めた。デザインという世界が単なる絵が上手いとか絵が好きだとかではなく、数学や物理、当然技術の上に成り立つものだということを学ぶ。デザインにはロジカルが必要だということがわかった。ある意味衝撃的だった。大学で毎日夜中まで勉強していた。あまり遅くまで教室を使うので、先生からは「窓の暗幕を閉めなさい。近所から電気の無駄だと言われかねない」と。
通学時間がもったいなくて、父の反対を押し切って大学のすぐそばにあるプレハブ小屋の下宿に家出同然に移り住み、無我夢中でデザインの世界にのめりこんでいた。

もちろん人並みに恋愛もしていた。その下宿に彼女が遊びに来ては、大家さんに怒られるそんな繰り返し。まさに歌の〝神田川〟そのものだ。
その時、小遣い稼ぎのためにバイトしたのが京都で一番のクラブ。そこでウエイターをやらせてもらった。そこのママが戦略家だったのか、バイトは国立大学の学生しか使わないというママだった。勉強ファーストで試験期間は強制的に休みをとらされる。
そのおかげでバイトも無理なく続けることができた。
大学4年の時に父が他界した。そろそろ将来の事も真剣に考えねばならない時期でもあった。

右手に筆 左手にそろばん

大学卒業後・1976年伊藤忠ファッションシステム㈱大阪本社に入社。
そこで「右手に筆、左手にそろばん」という新たな世界感に出会う。
学生時代に学んだ「デザインをロジカルに」「デザインの理論武装」がココで生きた。
商品やサービスに理念とデザインを付加し、新たな価値に高めて商売することを叩きこまれる。
ブランディングのはしりだ。
そして、会社が東京に進出するに伴い、一陣として東京へ送りこまれる。

そこで、想像以上の広い世界の中で、有能な人材がたくさん活躍する様子を見て、井の中の蛙と知る。

同時に自分では敵わないことは優秀な人材と組めばよいという事も知る。
面白いように大きな仕事にチャレンジできた。
特に印象的なことを上げれば、全日空が国際線進出の時期のこと。
イメージ構築のためのデザイン開発コンペに突然出ることになった。
もう閉め切りまで1か月もない。デザインを初めから創り上げる時間などない。

そこで考えた。

デザインとは、高名な作家を使って美しく仕上げればよいものではない。デザインは企業の理念をイメージできるものでなければならない。デザインで会社や世の中を変えるくらいのインパクトが大事だという事。従来のデザインの考え方から脱却しなければ世界から遅れる。ターゲットを意識した徹底的なマーケティングが必要なことなど、絵は一切出さず、うんちくを並べプレゼンに挑んだ。

結果、わが社に託されることになった。

今までの自分の経験と優秀な人材・スタッフがいれば何でもチャレンジできることを改めて認識した。

その他の主な事例
「Victoria & Albert Museum」 ブランド展開/「愛・地球博」マーク及キャラクター展開事業/「PROTECA」エース㈱のオリジンバルブランディング構築/経済産業省クールジャパン「TOKYOEYE」プロジェクト/「TOKYO FASHION AWARD」プロジェクト/「TOKYO KNIT」ブランディングプロジェクト

そして現在、人脈が財産

ブランディングやデザイニングにおいて、一貫して組み立てができること、分野を問わない人脈が私の財産です。

過去に培ってきた私なりの経験やそこで連携した友人たちが、会社を離れて独立した今も私を支えてくれていると思っています。

現在JOGO株式会社(2016年設立) 代表取締役 企画ディレクターとして、日本の企業価値を上げるサポートや海外展開の支援などを行っています。

事務局運営の仕組みづくりが得意で「人との和」を信条に、プロジェクト運営に参加しています。ツキヒヨリでもそういうことがお役に立てるような仲間になりたいと思っています。


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