開業コンサルタントから美容師の皆様へ
Prolog
独立開業するならば、あるいは自身のブランドを確立し多店舗展開を目指すならば、未来をイメージした瞬間がスタートラインです。
今すぐできる事、今していなくちゃいけない事がたくさんあります。
事業には「人」「物」「情報」「金」4つの資源が必要といわれていますが。美容業においては、加えて「感性」という資源も必要ですよね。
起業する時には必ず、多くの人の協力と援助と知恵が必要になります。経営者となりサロンを繁栄に導くための、ビジョンや情熱を常日頃から仲間や家族に伝え、目標に向かって着実に努力し、周囲の協力や支援を得られるようにしておくことが大事です。
ビューティークリエイターとして日々の努力や勉強はもちろんですが、できれば形や結果にしておきたいところ。
例えば指名売上げやコンテスト参加歴、ディプロマ取得、美容に限らず視野を広く、どん欲に自分をみがいていましょう。 こうした積み重ねがNextStageへの基礎となっていく事を忘れないで下さいね。
第1章 経営者の資質/人を活かす力
事業とは、複数の人が、目的を共有する組織を作り、計画性を持って目標に向い進められる物であり、経営者の仕事は、共有目的の下に人と組織体が生き生きと力を発揮できるように統率する事です。 経営者のあらゆる事業プラン・アイデアは実際には現場で働く人によって実践されます。従って、働く人が自発的な創造性をどこまで発揮できるかが、サロンの力を左右する重要なポイントになります。ですから「人を活かす力」は経営者にとって最も大切な資源と言えるでしょう。
第2章 サロンコンセプト
新店オープンにあたり、お客様に発信していきたい事はどんな事ですか?今までと同じ事を行っていこうとはしていませんか?
サロンの場所・スペース・スタッフ、条件が同じサロンは一つとしてないのですから、これまでの歩みと経験を活かしつつ、新店においては、どんなターゲットに、どのようなサービスを、どんな値段で、どのようなサロン空間で提供するのかを考えてゆきましょう。同時にそのコンセプトは競合店に対して、優位性や独自性があるのかも検証する必要があります。
経営者として同時に技術者として、美容テクニックに関するこだわりや感性、サロンワークに関するお客様目線でのポリシー、お客様に対するホスピタリティの考え方、仲間やスタッフにたいして実行していきたい事はどんな事ですか?
夢の掘り起こしをしましょう。
そうして考え抜かれたサロンコンセプトが、リアルなカタチを持ち、個性的でハートフルな世界に一つのあなたのサロンが誕生するSEEDとなります。
第3章 マーケティングリサーチ/不動産物件探し
場所の特定はターゲットの絞り込みから、従来からのお客様を集客するか否か、住宅密着型か主要駅周辺の人流の多いエリアか、サロンコンセプトを念頭に視野を広く、集客のベースとなる人口を調べておく事をお勧めします。町丁別男女別年齢別人口から美容人口を調べ、クラスターポイントの質を考慮して人流をつかんだうえで、実査にあたると、開業地の情況がより分かります。
しかしながら、物件との出会いは最もタイムスケジュールの読めない部分です。
日頃から不動産情報に注意してリサーチをしていましょう。相場を知りエリア内の物件の動きも分かっていれば、自分に合った条件の物件が出た時にどう判断すれば良いか分かるようになるでしょう。優良物件は動きが早く、競合がいる場合も少なくないので、仲介業者との人間関係ができていれば、情況を知る事もできます。
現場調査という専門知識が必要になりますので、さっと動く設計者との信頼関係も必要になりますね。
第4章 店舗デザイン/ネーミング・ロゴ/グラフィックイメージ
お客様は前もって美容室の技術の質を確かめることができないので、新規に訪れる場合、そのサロン空間のデザイン・グラフィッックデザイン・スタッッフの経歴や写真・価格・行きやすさ(利便性)などの、目に見える形での手がかりを探します。サロン空間デザインやグラフィックデザインが重要なの、は単にその場所で過ごしたいという欲求を満たす対象ではなく、美容という技術サービスの質に対する、期待値に大きく作用するからなのです。
Epilog
独立開業する事は、リスクを負い競争社会に飛び込み、経営者として感性と知性を駆使して、より多くの「人」「物」「金」「情報」の獲得を目的としているわけですが、真の目的はお客様の「信頼」と「感謝」であり、収益はその後から付いて来るものでしょう。
満足をしたお客様は「どうもありがとう!」といってサロンから出て行かれます。良い関係を持続発展させることで、社会参加と貢献ができる、一生をかけてやり抜く価値のある仕事です。お客様も自分自身も満足できて、感謝される仕事を追求していけば、収益はおのずとうまれ広がっていくことでしょう。
天職である美容師としての王道
「人を美して、ありがとうと感謝され、大切にされ、お金を頂戴する!」
どうぞ貫いて下さい。