仕事の延長でブログを書くことは禁じられていましたので、ぐんぐんぐんまでは、もっぱら、美味しい店、温泉、観光地などに行ったときの個人的な体験を書いていました。

　仕事では2004年夏に「温泉偽装問題」が勃発。伊香保に端を発して群馬各地で偽温泉の存在が明らかになり大騒ぎになりました。支局で書く記事の主役は二人の若い記者。「支局長は温泉でも入っていてください」と言われて温泉を取材していたら、そこが主戦場になってしまいました。
　翌2005年は市町村合併。経済記事を書くのに忙しい若い記者は群馬の田舎の町村まで取材に行く余裕がなく、市町村合併の記事も支局長である私がほとんど書きました。
　そんなわけで地元の主要企業の取材や県庁、前橋市、高崎市、太田市などの取材は若手記者が担当。支局長は特ダネを逃さないように、特オチをしないように、県知事や各市の市長、そして商工会議所の会頭たちとたまに会って、大事な動きだけ押さえていました。

　土屋さんはパリッシュという会社を経営していました。若手記者が、「パリッシュの社長は相川さんと気が合いそうですよ」と言って紹介してくれて、それからパリッシュの記事は僕が書いていました。支局長ですから記事を書くよりは「お付き合い」が大事。ですから土屋さんとはよくカラオケに行きました。酔うと、土屋さんが太田裕美に見えたりしました。新聞記事とブログを書きながら、オフの時間は土屋さんら地元の人たちと交流する楽しい2年間でした。

　昨年11月に41年勤めた日本経済新聞社を退職。それを機に、東京に居を構えるようになった土屋さんとのお付き合いが再開しました。

　超高齢社会になりましたが、高齢者は「60歳で定年退職しても65歳まで年金を満額もらえない」「定年後は何十年もあるのに、仕事をしようとしても単純労働ばかり」「晩年は要介護状態になり、家族に迷惑をかける」ーーといったネガティブな発言が多い。長生きは人類が得た貴重な成果のはずなのに、なぜか高齢者は生きにくいというイメージが蔓延している。そんななか、土屋さんとは、「従来のシニアとは違う、前向きな生き方をしたい」ということで意気投合。私の高校時代の同級生で10年一緒に同窓会活動をした落合惠子さんと３人でとりあえず「未来シニア」というユニットを結成しました。Facebookページにそれぞれが自由に投稿。なんとなく互いが「元気に生きている」のが分かればいい、という感じでゆるいお付き合いをしてきました。

　そして、ツキヒヨリのリニューアルのお話を伺いました。フリーランスが協力して新しい成果を生み出そうというプロジェクトのようです。

　私も退職後、書く仕事は「ジャーナリスト」として、それ以外の仕事は「人生100年時代の歩き方研究所代表」としてフリーで働いています。シニアでフリーというのは遅すぎないかという見方もありますが、社会に出たらまずは会社勤めをして、人脈を広げ、スキルを高めたほうが、独立もしやすい（退職まで会社にいるのは、よほど居心地がよかったのかもしれません）。会社勤めのうちに年金保険料をしっかり支払い、老後の生活にめどをつけることもできるので、シニアになってからのフリーランス宣言は悪くないと考えています。

　でも、大きな仕事はチームで行わないとできなし、チームで行うことは楽しいと思うので、フリーランスの繋がりを重視するツキヒヨリにはとても期待しています。

　すでにジャーナリストとしてはフリーアナウンサーの町亞聖さんと「跳べ！ほっとエイジ」の名で「人生100年時代の歩き方トーク」（YouTube, Podcastで配信）を始めていますが、「人生100年時代の歩き方研究所代表」としては、「未来シニア」を言葉だけでない、しっかりした概念として形作り、世の中に押し出していきたいと考えています。若い人たちに対する「人生相談」、高齢者の生きやすい社会や市場を作るための調査、提言などもできればと思います。

　まずはどんな人たちが集まるのか。土屋さんの人柄とパワーはよく知っていますので、ツキヒヨリ立ち上げに全面的に協力しながら、いろいろな人たちと交流する中で、私自身のフリーランスとしての経験値を高めていきたいと思っています。

　みなさま、どうぞよろしくお願いいたします。

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