私の着物の日


着物は月に2〜3回ペースで着ているが、今年の8月は一度も着ずに終わるのか…と、残念に思っていたら、最後の日にそのチャンスにめぐまれた。

実は、着物の中でも夏の着物が大好き。身体を取り巻く風の通り道ができあがって、洋服では得られない満足感がたまらない。ここ数年は、小千谷縮(麻の着物)に袖を通すことが多くなっていて、8月が来るのが楽しみだったくらい。汗をたくさんかいても、ざぶざぶと水洗いできる麻、着れば着るほど身体に馴染んでくる麻に惚れぼれしている。

今日お話を伺ったのは、神楽坂の老舗「柏屋呉服店」ご店主・柄澤昌雄さん。

着物を縫うための針の話から、職人さんの技の話、ご自身の修業中のお話などなど、盛りだくさん。
中でも「辛抱(シンボウ)のボウを外してはいけない。自分で外さなくても、辛抱を続けていれば、気づかないうちに自然と外れているものだ」という先達の方から聞いた言葉をずっと大事にしてこられた、というお話がじんわりと心に響いた。
今日は、20年くらい前に作った駒上布(蝶の柄)に、数年前に求めた麻の帯を合わせてみた。

着物を着なくなったら、日本人の守ってきた文化がなくなる!という危機感も感じ、40代から意識して、せっせと着てきたつもりではある。コロナ禍、酷暑、加齢、介護ロスなど、原因はいろいろ考えられるが、少し「気合い」というものがなくなった自分を感じる。
今日を境に、また「頑張って」着物を着る日を作ろうと思う。職人技やセンスや季節感のある暮らしについて思い出させてくれる着物というものをいつも側に置いておきたいと、改めて思った。


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