コエダ小林
実験家
プロダクトデザイナー
1996年兵庫県姫路市野村で大好きなプリンを食べて育つ。
神戸芸術工科大学にてインダストリアルデザインを学び、合同会社 A Studio Design にて安積 伸の元でアシスタントを3年間担当する。
現在は
東京藝術大学に所属、21B STUDIO としてチームで活動、【 実験家 】として2018年より活動、
個人プロダクトデザイン事務所運営、シェアスペース【 moku² 】運営、教員、時々バイト。
実験家 / 【 自然現象の翻訳 】をテーマに研究者のように意識深く物事に向き合いつつ、探検家のような探求心で純粋に楽しむことを目的に制作を続けている。
モノを見る原点、それは少年時代の1本の木にあった
プロダクトデザイナーだと思い、お話を始めたのだが、途中からこの方は研究者だと気が付く。
彼の前にたまたま出くわした自然現象が彼の感性によって、計算されたアートのカタチに変わっていく。
『自然現象から見つけた神秘や拾い上げた美しさを独自の手法でカタチにしていく人』と、理解すればよいのだろうか・・・
作家でもあるけれど研究者でもあり、興味を持ったものを探検家のような心で楽しんでいるように見える。
不思議な人だわ。
そういう作品が人々の心を打ったのか・・・ 22歳の時にミラノサローネに出品し「フォーリサローネ」で受賞している。それを皮きりに、多くの作品を輩出している。
ピンと張った葉から朝露が滴り落ちるような時の移ろいを、人工的に再現した装置としてのオブジェクト
赤錆と緑青によって全身を覆われた偉容な雰囲気を放つダルマ。
なにげなくそこに佇む姿に魅了され、「祈願」するダルマではなく、「共成(共に成長する)」ダルマ
作品の話をすると1点を見つめ、クールほどに真剣な眼差しで話をする。 それが突然、優しさ溢れる可愛い表情になる。
そうか、一見、コミュニケーションが苦手のように見えるけれど、彼の中にはきっと温かな原風景がしっかり焼き付いているのではないか・・・と、私は直観した。
子供時代の話に変えてみたら、やはりそうだった。
子供の時に近所の森へ遊びに行った時の事。
山にはたくさんの木々があるのに、1本だけ雨が降って濡れている木を見つけたという。
子供ながらその不思議に吸い寄せられるようにずっと眺めていたという。
言葉にできない潜在的な感情と静寂な時が複雑に交じり合っていた。
「なんで1本だけ濡れているのだろう・・・?」
その木のことを長い時間眺めながら、自然の不思議さと美しさに感動していたのだという。
それが彼の作品の原点だったのかもしれない。 自然現象の美しさを感動だけでは終わらせない。自分が納得するまで、なぜそういう現象が起きるのかをとことん研究してしまうのだ。
続きは、「猫と人。繋がるものがたり」をお読みください。